食の安全は生き方社会の在り方を考えることから

2015年1月14日 11時52分 | カテゴリー: 活動報告

 新年早々、マクドナルドのナゲットに異物が混入していたことがニュースで問題になっています。中国の工場からタイの工場に切り替えたばかりで起こった異物混入でした。さらに新たな混入が次々と報道され信用回復は険しいと言えます。

 昨年12月、科学ジャーナリストの天笠啓佑さんを講師に「食の安全を考える」学習会を行いました。その中で最初のテーマが「グローバル化が脅かしてきた食の安全」でした。
  食品偽装は発覚しても数年おきにどこかで繰り返され、一流レストランや割烹料亭でも起こるようになっています。景気の悪化によって、より安くすることを求められ、安くするためにコピー食品を作りだす技術も向上してコピー食品が増えていることや食品メーカーに納入する企業間での価格競争が熾烈を極めた結果、働く人の賃金や労働環境がひどい状況になり、その強烈な不満から中国の毒入り冷凍ギョーザ事件が起き、日本の似たような事件も、みな同じ構図が見えてくると天笠さんは指摘されました。これは非常に重要な指摘です。

 デング熱やエボラ出血熱の拡散について、たべものの行き来で感染症が増えているということです。日本は食料自給率が低くH25年度カロリーベースで39%しかなく、ほとんどの食品を世界中から輸入し、その分感染症のリスクも高まるのです。2000年宮崎県で口蹄疫発生、翌年BSE感染牛、2004年鳥インフルエンザ、数年おきに発生のニュースがあり頻度も増えています。

 遺伝子組み換え農作物の問題。今も米国と交渉中のTPPがまとまれば現在高い関税で守られている国産のサトウキビ、テンサイが壊滅的打撃を受け、米国産によって砂糖など甘味が支配されることになります。そうなれば米国産テンサイは95%が遺伝子組み換えだということです。そもそも遺伝子組み換え作物は安全かどうか分かっていません。
 殺虫毒素や除草剤が組み込まれた作物やそれらを原材料にして作った食品による健康影響はないのでしょか。天笠さんによると、インドでは殺虫性綿がヤギや羊の大量死をもたらし、アメリカでは殺虫性トウモロコシを与えられた豚の繁殖率が低下、アルゼンチンでは除草剤耐性作物に使われる除草剤の散布による人の健康被害が起きていると言います。免疫力への影響、生殖・出産へ影響、解毒臓器の損傷などから米国環境医学会はポジションペーパー(公式見解)で、遺伝子組替え作物を中止するか表示することを提言したということです。

 TPPや自由化がさらに進むと、ものの支配が拡大し富の一極集中と世界中の人々の安全な食が奪われる危険があります。食品添加物も国内での安全審査を省略する動きがあり、今後200種類の追加承認予定とのこと、これもTPPを睨んだ政府の動きだと指摘されました。

 私たちは、輸入食品を減らし国産のものを選び、季節の食材の旬産旬消、地場作物の地産地消、そしてできるだけ加工食品でなく素材から調理することが、健康で安全な食生活であり、日本の農業を守ることにつながっています。これからの私たち一人ひとりの生き方、社会の在り方が今、問われている、そして地域が主役の時代をつくり、脱原発と地域循環型社会の構築を目指して地域で取り組みを進めれば、自治体でできることはたくさんある、と天笠さんは言われました。

 生きることは食べること、安全なたべものを手に入れるには、私たち一人ひとりの生き方、社会の在り方を見直して社会を変えていくことに真正面から取り組むこと。原点である「たべもの」から考えることの重要さを改めて強く感じた学習会です。「安全な食」という原点を大事にして、みなさんとともに活動してまいります。