世田谷清掃工場1号炉停止 炉室内で高濃度ダイオキシン類検出のため

2014年12月19日 12時28分 | カテゴリー: 活動報告

 17日の区民生活常任委員会で世田谷清掃工場の炉室内の高濃度のダイオキシン類が検出された問題について11月に続き経過報告がありました。
 炉の停止経緯は、10月10日1号炉で労働安全衛生規則に基づき義務づけられている作業場所のダイオキシン類濃度の測定を実施した結果が11月19日報告され、工場棟1階の焼却炉付近で6.8pg-TEQ/㎥、砂分級装置室地下1階で5.8 pg-TEQ/㎥という高濃度だったことがわかり、この2か所は第3管理区域(不透性保護衣に作業場内空気の直接吸引を避けるためのエアラインマスクが必要)と指定され報告当日の11月19日焼却炉の停止作業に入ったのです。

 焼却炉が冷え、人が中に入れる状態になった12月1日から炉室内のダイオキシン類漏洩の原因について点検が行われ、今回、疑われたのは2か所。

 1、ガス化溶融炉の「散気管」の接合部のシール材。「散気管」とは流動床式ガス化溶融炉の砂に空気を噴出して撹拌するための設備。シール材を交換。

 2、「砂循環エレベーター集じん機」の排気排管のつまりによるガス漏洩。排気排管内に堆積物を除去。「砂循環エレベーター集じん機」とは、コンベアなどの各設備の負圧を確保して点検口などから炉室内にガスが逆流するのを防ぐための設備。

 その後、16日から18日の3日間稼働させて作業環境のダイオキシン類濃度の測定を実施し、その結果が出るまでの間、炉は再び止め、結果が出るのは10日間程度、その数値に異常がなければ本格稼働ができるということです。

 もう一つ気になっていた炉室の換気口がつながっている屋上の排気口からダイオキシン類が大気に飛散していたのではないかです。11月20日から1週間、屋上でダイオキシン類の大気環境測定を実施し0.042 pg-TEQ/㎥で環境基準の0.6 pg-TEQ/㎥を下回っていたと東京二十三区清掃一部事務組合のHPに公表されていますが、通常の屋上での数値がわからないという問題があります。
 2011年にも同じように炉室内のダイオキシン濃度が高くなって休炉した世田谷清掃工場では、今後、年に1回以上、排気口がある屋上でのダイオキシン類の測定を実施し、通常の数値を把握しておく必要があると考えます。

  今回は、世田谷清掃工場に搬入予定だったごみを区内の千歳清掃工場に回しているということですが、それでも予定外の収集運搬コストがかかっています。来週後半に出る測定結果によっては休炉が続くことになり、今後、年末年始のごみが多くなる時期になることから厳しい対応が迫られることになります。

 世田谷清掃工場の流動床式ガス化溶融炉のメーカーは川崎重工ですが150トンという規模の炉はこれが初めてです。建替え計画の時から実験炉となるのではと懸念していましたが、これまでもさまざまなトラブルでよく休炉し、さらに作業員の方々や周辺への環境悪化が心配になるトラブルも今回2回目で、流動床式ガス化溶融炉という技術の未熟さを改めて実感しました。

 世田谷清掃工場の建替え計画が持ち上がったとき、あれだけ私たち区民が再考を求めたのに、当時の東京都清掃局、その後の東京二十三区清掃一部事務組合、世田谷区、世田谷区議会は最新技術としてガス化溶融炉を選んだのです。その後、流動床式ガス化溶融炉は23区の清掃工場の建替えで採用されていません。

  また、焼却による排ガス中から高濃度の水銀が発生した休炉は、世田谷でも千歳清掃工場で過去2回ありますが、23区のいくつもの清掃工場でもあり、中には数億円にのぼる修繕費用がかかる事故が最近でも起こっています。

  このような事故をなくすには、すべての製品の設計や製造段階から廃棄(焼却)処理で、できる限り有害物質が生成されない原材料にすること、使用済みの廃棄物は、製造したメーカーに間違いなく戻り、安全に処理される社会の仕組みをつくること、そして、それでも清掃工場に持ち込まれるごみは、できる限り分別をきちんとし、焼却するごみを減らすことにつきます。究極の目標は燃やすごみゼロ、焼却炉ゼロ! です。