高次脳機能障害についての学習会報告

2014年9月21日 19時28分 | カテゴリー: 活動報告

 8月末の日曜日、三軒茶屋のキャロットタワー・セミナールームで「高次脳機能障害」についての学習会を開催しました。
 講師は、医療の現場で長年、高次脳機能障害者の支援を行っている三軒茶屋リハビリテーションクリニック医院長の長谷川幹(はせがわ みき)先生にお願いしました。日曜日の午前中にもかかわらず、会場いっぱいの参加者の方々は長谷川先生の話に熱心に聞き入りました。また、当事者家族で世田谷高次脳機能障害者連絡会の代表でもある今井雅子さんから当事者を支える家族のご苦労について率直に語っていただきました。

 高次脳機能障害とは、脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害や交通事故やスポーツなどによる頭部外傷、心停止や溺れるなどの低酸素脳症、脳炎、一酸化炭素・薬物中毒などで脳が損傷されたことによってさまざまな症状が現れる障害です。たとえば注意障害、記憶障害、行動と感情の障害、失語症、左半側空間無視など、普通の生活が困難になってしまうのですが、外見は以前と変わらないように見えるため、非常に分かりにくく、しかも一人ひとり症状が違うため、なかなか回りの人たちに理解してもらえないという苦労があります。

 

 長谷川先生のお話では、高次脳機能障害は、やる気を出してリハビリを行っていれば、必ず改善するということです。その理由は、損傷した脳の代わりに、長い時間をかけてゆっくりと脳の別の部分が損傷した脳の機能を補うために働くようになるからです。
 そして、いい医師との出会いから、当事者があきらめることなく主体的に改善に取り組むように導かれていくことが今井さんのお話からも伝わってきました。目標を決め、意欲を持って主体的に努力することによって、脳血流が増えてゆるやかな改善へと向かうそうです。

 

 認知症は、時間の経過とともに症状が進んでしまいますが、ゆっくりとゆるやかでも年齢に関係なく高齢になっても、必ず改善し良くなっていくのが高次脳機能障害です。半年、1年、3年、5年、7年、10年と長い時間はかかりますが、地域で前向きに生活する(生活リハビリする)ことによって、確実に改善します。
 だからこそ地域での暮らしが重要であり、地域の人たちが高次脳機能障害について理解し、当事者や当事者家族を温かく見守り支えることがとても重要になってきます。

 

 

 まだまだ知られていない「高次脳機能障害」、退院後のリハビリを地域で支えることができる理解と支援体制の整備に向けて、さらに都と区の連携を深めていけるように取り組みたいと思います。