森ヶ崎水再生センター・南部スラッジプラント見学

2011年10月17日 17時06分 | カテゴリー: 活動報告

1、  南部スラッッジプラントに6基ある焼却炉の一つで、日々3基の焼却炉が稼働する 
1、 南部スラッッジプラントに6基ある焼却炉の一つで、日々3基の焼却炉が稼働する 
 10月12日、東京・生活者ネットワーク主催の「森ヶ崎水再生センター・南部スラッジプラント見学」に行ってきました。南部スラッジプラントは、今年5月、6月と、汚泥から高濃度の放射性物質が測定され、たびたび報道されていたので、ずっと気になりぜひ見学したいと思っていた施設です。

 森ヶ崎水再生センターは、東京湾沿いの大田区に東西の2つの施設に分かれ、さらに城南島に南部スラッジプラントがあり、日本で最大規模を誇るそうです。東京23区は10の処理区に分かれ、森ヶ崎処理区は、世田谷区、大田区、品川区、目黒区のほか、芝浦処理区となる渋谷区や杉並区なども引き受け、23区全体の約4分の1にあたる地域をカバーし、そのほか多摩地域の野川処理区も引き受け、1日に約190万トンの下水が流れてくるそうです。

 この下水は、基本的に微生物の力によって汚れを分解し食べてもらい、きれいになった上澄みをさらに高度処理した上で、東京湾の海に放流しています。
 残った汚泥は南部スラッジプラントに送泥管で送られ、濃縮・脱水処理後、焼却されて焼却灰となり、これに飛散防止のため、セメントと水を混ぜて「混練灰」にして、最終処分場に運んでいます。
 以前は、この焼却灰はセメントなどの原材料としてリサイクルされ、有効利用されていたそうですが、福島原発事故後、放射性セシウムが高濃度に検出されてからは、国が定めた方法に従って、最終処分場に埋め立てられています。

 見学日にいただいた資料では、10月6日に測定した南部スラッジプラント内の空間放射線量は、大田区内のほかの地区と差異がないという、0.06〜0.11μSv/hという数値ということで、見学もヘルメットと軍手の着用だけでした。
 下水道局が継続して測定している結果をHPで確認すると、9月26〜27日の脱水汚泥は、放射性セシウム総量159Bq/kgですが、汚泥焼却灰は、密度が高くなるため放射性濃度も高まり、放射性セシウム総量8,500Bq/kgという結果になっていました。

 森ヶ崎水再生センターから南部スラッジプラントで、焼却灰から「混練灰」なるまで、すべて太いパイプによる移動であり、トラックに詰め込む際のパイプがある倉庫も、使われない時はシャッターが閉まり、パイプの接続部分もきちんとフタがされ、細心の注意が配られているように感じました。

 また、汚泥の焼却施設は、一般廃棄物の焼却施設とは少し違うようで、今まで見たことがあった一般廃棄物の焼却炉のバグフィルターと形や材質も違い、材質は陶器製で、排ガスの入口と出口がそれぞれ違う形のハニカム状になっており、それが数百や数千、びっしりと「濾過式集塵装置」の中に納められているということでした。

 東京という大都市の4分の1のエリアの下水を処理することは、ただでさえとても大変なことです。この辺りは、3月の大震災で、地盤の液状化の被害も受けていました。そこに放射能汚染が加わり、本当に大変なのだと実感しました。
 
 自然界に放出された様々な物質が、最後に集まってくる東京の下水の汚泥を焼却した灰、そして23区の清掃工場の焼却灰からも放射性セシウムが検出されているという現実は、東京電力福島原発の事故によって、東京も汚染された事実を示しています。

 今後、私たち一人ひとりが、下水を含めたごみを排出する時に、再び自分たちに戻ってくることを自覚し、ヒトを含めた生き物に害になるものを使わない、出さない暮らしを目指すことが、これまで以上に強く求められます。

*東京都下水道局の放射線情報